- 著者
-
森田 航
- 出版者
- 独立行政法人国立科学博物館
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
化石資料の中でもっとも豊富であり、現生種と化石種の類縁関係を推定する鍵となっている大臼歯、特に上顎大臼歯間の形態の違いに着目し解析を行った。資料には国内外の博物館や大学が所蔵する標本を用いた。CTスキャンを行い3次元モデルとして再構成し定量的な比較を行った。その結果、ヒトと現生類人猿は全体として共通する大臼歯間変異のパターンを持っていることが示された。しかしその中でもヒトでは特殊化の程度が大きく、遠心舌側咬頭の顕著な退縮傾向を持つことがわかった。またケニアから出土した未記載の大臼歯についても解析を進め、概ねこれまで知られている中新世化石類人猿と同じく祖先的な形態を保持していることが分かった。