著者
鷹野 敏明 大矢 浩代 中田 裕之
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

高層の淡い雲の構造・性質解明を主目的に、研究代表者らは高感度高分解能のミリ波レーダ FALCON-I (FMCW Radar for Cloud Observation-I)を開発・運用してきた。この装置は従来のレーダに較べて周波数が 95 GHzと高く、空間分解能や感度が優れており、またドップラー測定の精度も高いことが特徴である。 FALCON-I を用いて、過去 10 数年にわたって地上から高度 20km までの範囲で、陸および海洋で雲や雨の観測を実施してきた。これらの観測を通じて FALCON-I では大気中に浮遊する昆虫などが観測できることが示された。そこで、FALCON-I などの新しい手段を用いて、どこまで小さい浮遊物が検出できるか、その計数、サイズ分布、時間および高度分布、季節変化を探索・解明する手法を創設することが本研究の目的である。初年度の 2018年度は、9月末から 10月初めにかけて、空中浮遊物を採集する係留気球実験を実施し、FALCON-I で得られるエコーデータとの比較を行った。また、これまでに行った春・秋・冬の空中浮遊物採集実験の結果の解析・整理を行った。その結果、大きさが 0.5mm 程度以上の浮遊物体は、もれなく FALCON-I で検出できていること、これまでに行った春・秋・冬の季節と比べて、2018年度 9・10月の空中浮遊物の空間密度は 1.5倍高いこと、気温が低い冬期は浮遊物体の空間密度が 1/5 程度となること、などが明らかになった。2019年度はさらに解析を進めるとともに、地上から上空までの風速・風向と大気浮遊物体の空間密度の相関などについて調べた結果、風が弱い場合のほうが大気浮遊物体の空間密度が高いことが分かった。さらに風の様子のシミュレーションなどを行い、大気浮遊物体が受ける影響を評価し観測結果と比較検討を進めた。

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高分解能レーダでどこまで小さい浮遊虫が検出できるか―飛来害虫監視に向けて https://t.co/KHqh0H4W0i

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