著者
瀬川 拓郎
出版者
旭川市博物館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

11~12世紀に平泉を拠点に権勢を誇った奥州藤原氏の財政基盤は、オオワシの尾羽や海獣皮といった北海道の産物と、北上産地をはじめとする北東北の砂金にあったとされる。しかし、具体的な砂金産地やその生産実態はもとより、北海道集団との交流の実態解明もほとんど行われていない。本研究では、奥州藤原氏と古代北海道集団の関係を明らかにするため、砂金を手がかりとし、化学分析により北海道と東北北部の砂金の成分的な異同を比較検討して、北海道産砂金が平泉に流通した可能性を検証した。平成26年度には次の調査・研究を実施した。1)東北各地31カ所の砂金サンプルについて研究協力者から提供を受け、函館高専において化学分析を実施した。その結果、微量元素の構成で北海道と東北の砂金に有意な差は認められなかったが、専門家のアドバイスを受け、今後比較検討する微量元素の数を増やすとともに、より精度の高い分析機器による分析を検討することになった。2)奥州藤原氏関連遺跡から出土している坩堝など金付着関連遺物について26年度に化学分析を行う予定であったが、平泉町教育委員会と協議を行い、来年度にこれら資料の化学分析を実施することになった。3)北海道厚真町では、常滑焼など奥州藤原氏関連遺物が出土し、近年奥州藤原氏の移住の可能性が指摘されていることから、移住と砂金の関係を明らかにするため、これまで砂金産出の記録がない同町の厚真川において26年度には砂金調査を2回にわたって実施し、砂金を得た。4)上記の東北各地砂金サンプルの化学分析結果とこれまでの研究遂行状況について、3月に函館高専において報告検討会を実施した。

言及状況

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東大寺建立時の金、奥州平泉の金だけではなく、北海道の金が使われた可能性。 産金をめぐる奥州藤原氏と古代北海道-化学分析による金流通の実態解明 https://t.co/WS8xH0lXym

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