- 著者
-
近藤 尚己
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 RISTEX(社会技術研究開発)
- 巻号頁・発行日
- 2021
長引くコロナ禍が子どもや若者、女性へ及ぼす影響のメカニズムは十分明らかになっておらず、支援ニーズの増加と支援者間の情報共有や連携の困難により相談支援の現場負荷が高まっている。支援対象者の特徴の把握や支援プラン策定は、支援者の経験とスキルに大部分が委ねられており、経験の浅い支援者などへの支援と地域ぐるみの支え合いを可能にする環境整備が急務となっている。
本プロジェクトでは、①3万人の縦断インターネット調査データを活用して、コロナ禍が子どもや若者、女性に及ぼす社会的孤立・孤独や健康・生活への影響を分析する。②分析で得た知見を踏まえ、これまでに開発してきた支援者の支援データシステムの「子ども・若者・女性版」をつくる。③別途開発してきた「住民主体の共生型地域づくり普及支援ガイド」および「地域住民を含む顔が見える社会資源マップ」などのツールをアップデートして、同システムに接続する。このシステムには対象者のタイプ(ペルソナ像)情報や支援記録の分析に基づく優れた支援者のナレッジを盛り込む。支援対象者のタイプとタイプ別の効果的な支援プランを提示し、これを現場とオンラインの両面(ハイブリッド)のネットワーク上で運用する。地域の人々の誰もが支援の入口(ドア)となり、どこから入ってもケアの輪に包摂され、互いに支え・学び合い、豊かなケアが継続する「どこでもドア型」のケアネットワークを構築する。