著者
和田 義明
出版者
一般社団法人 国際P2M学会 編集委員会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.38-45, 2016 (Released:2016-11-11)
参考文献数
4

基礎研究や技術を事業に繋げることは、企業の競争戦略の中で重要な要素である。しかしながら、研究開発の初期段階で事業化の可能性や収益性などを問われることがあり、それに答えられずに、死の谷に落とされることがある。ステージ・ゲートは、研究開発テーマを絞り込む手法として考案されたものであり、研究開発の段階に合わせた評価項目で審査する為、研究開発の初期段階で収益性などを問われることがないという長所がある。一方でステージ・ゲートでの評価は管理的である為に、有望なテーマを棄却してしまったり、研究者の士気を損なったりすることが懸念されている。それを解決する手段として考案されたのがブースト・ゲートである。本稿では、企業の研究開発における活用事例を基に、ブースト・ゲートを実践する上での留意点について報告する。