著者
石黒 秀明
出版者
上武大学ビジネス情報学部
雑誌
上武大学ビジネス情報学部紀要 (ISSN:13476653)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.25-51, 2010-12-28

各国で実際に採用されている会計制度・会計基準は多様である。ガーノン・ミークによれば、1国の会計を形成するのは6つの主要な環境変数であり、それらの変数が産み出す個別的な特徴を基準として、世界の会計は3つの会計モデルに分類することができる。ひとつの会計基準が利用者集団のニーズをみたす「公正妥当な企業会計の基準」として社会的に認知されるための評価構造モデルを考察すると、その起点として会計の本源的機能を評価する真実性基準があるが、実際に評価装置として機能するのは、会計の社会的機能を評価する有用性基準である。
著者
石井 明
出版者
上武大学ビジネス情報学部
雑誌
上武大学ビジネス情報学部紀要 (ISSN:13476653)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-24, 2010-09-30

本論文では、アメリカの20世紀初頭における鉄道会社の設備金融の特質および問題、リース方式―フィラデルフィア方式―による設備金融の歴史、設備信託スキームおよび法律上の問題点、リースの会計実務および会計報告の基準等を検討する。そして、20世紀初頭、州際商業委員会(ICC)の設定した規定によって、アメリカの鉄道会社が使用するリース設備が所有設備と合算されて「設備」として資産計上されており、さらに、今日の企業会計の経済的実質に基づくリースの資本化論とは異質の考え方である「法的実質」の理論があったことを明らかにする。