- 著者
-
西山 雅祥
岡本 憲二
- 出版者
- 京都大学低温物質科学研究センター
- 雑誌
- 低温物質科学研究センター誌 : LTMセンター誌 (ISSN:1348317X)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.26-31, 2005-11-01
光ピンセット(Optical Tweezers)とは、光を回折限界に集束させることで,溶液中の微粒子などをその集光点に捕捉する光技術である。この光学系を光学顕微鏡に導入することで、研究対象となる微小物体を顕微鏡で観察しながら、非接触・非侵襲で捕捉し、三次元的に自由に動かすことが可能となる。この「光の手」は、マイクロメートルスケールの物体の物性評価や生体分子の1分子計測、細胞の顕微操作など様々な分野で利用されている。本稿では、光ピンセットの原理と装置の概略を説明した後、生命科学分野での応用例について紹介したい。