- 著者
-
川西 幸弘
末次 典恵
- 出版者
- 公立大学法人 宮崎県立看護大学
- 雑誌
- 宮崎県立看護大学研究紀要 (ISSN:1345692X)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.2, pp.1-9, 2023 (Released:2023-04-03)
- 参考文献数
- 26
本研究では,利き手と作業への影響を明らかにすることにより,左手利き者に対する,看護技術習得における教育的配慮に関する示唆を得ることを目的とした。検索エンジンは医中誌 Web,CiNii,Google Scholarを使用し,「 右利き 」,「 左利き 」,「 作業 」,「 手 」 をキーワードに検索し,対象の利き手と非利き手または,右手利き者と左手利き者の作業能率の比較を基準に7つの論文を選定した。文献は,道具を使用する作業や高い操作性を求められる場合には,利き手の使用が有用であるというもの,左手利き者は非利き手での道具の使用に関して順応性が高く,簡単な作業においては,両方の手を効率的に使用できるというもの,利き手の違いによる看護技術評価点への影響に関するものに分けられた。これらから,左手利き者に対する看護技術習得における教育的配慮として,基本的に利き手で習得した方が上達すること,看護技術習得の状況を個別に確認した上で,慌てず確実な手技を身につけるように助言をすること,実施しやすい物品の配置や立ち位置の調整を促すことが,左手利き者への看護技術習得支援につながる可能性が示唆された。