著者
田原 豊
出版者
千葉県立生浜高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

○研究目的本研究は30年以上に渡る試行錯誤により独自に開発してきたニワトリ胚連続観察用人工容器の作成方法や、無菌状態でない教室でも十分授業展開ができる実験方法と観察方法の改善。さらに授業活用可能な視聴覚教材のハイビジョン化も進めることを目的にした。○研究方法人工容器の改善、調整と実験方法の確定のため、簡単に作成可能な人工容器の新たな模索と千葉県立生浜高校生物受講者を対象に授業実践研究を実施した。観察記録映像のハイビジョン化は主に実体顕微鏡レベルと肉眼レベルの映像をハイビジョンデジタルビデオカメラとデジタルカメラ等で記録した。○研究成果授業用の人工容器は観察しやすく、さらに身近な材料で安価に作成可能な人工容器に改善できた。高校生が授業中に自分たちで人工容器を作成することが可能になった。さらに、不可能とされてきた保温前に食用有精卵を割卵し卵殻外へ出して人工容器に移し保温観察を開始することの実用化に成功した。従来、保温50時間前後で割卵しなければならなかった事による授業計画上の制約から解放されるだけでなく、いったん保温された卵が割卵後に冷えないように一連の作業を急がなければならなかった点からも開放され、授業展開が大幅に改善された。人工容器の改善や実践研究中に記録されたハイビジョン映像は授業実践中にも一部活用し効果を実感できた。授業活用が十分可能な映像であることを確認した。今回の研究では人工容器内で誕生直前までの連続観察がより手軽に可能になったが、授業中にヒヨコを誕生させる事は出来なかった。胚の連続観察と誕生を共に保障できる方法の確立をめざし今後も研究を続けたい。