著者
平田 俊博
出版者
国立大学法人山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

現代の日本において、どのようにして死刑制度について国民的合意が可能か、をカント倫理学に立脚して市民レベルで究明した。そのために、生者と死者の相関関係の3様態に基づく近代倫理の3区分という新機軸の構想を導入することによって、殺人行為の3領域を明らかにした。つまり、行為者に定位する功利主義的な近代法、行為とその動機に定位するカントの義務倫理、行為の結果に定位する前近代の宗教倫理である。