著者
田中 文昭
出版者
学校法人 誠昭学園 うちあげ幼稚園
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

(1) 研究目的 幼稚園で行われている異年齢交流行事に幼稚園就園前の子ども(以下、未就園児)と保護者が参加する際の、「場の機能」に関する多角的アプローチによる記述研究である。我が子や幼稚園児と活動をともにすることによって、未就園児保護者の発達に関する考えがどのように変化してくのか等を探索し、より豊かに記述することを主たる目的とした。(2) 研究方法と成果 まず、保護者と未就園児等の活動の様子を観察してGTAで分析することにより、子どもの活動への参加状態や普段の様子との比較などが保護者の心理にどのように影響を及ぼすのかについて、より詳細な記述枠組みが示された。中でも保護者が我が子に対して活動への参加を促すヴァリエーションの多様性を記述できた。これらのまとめについては日本保育学会等の学術誌に投稿予定である。質問紙では親子の現状、活動での保護者や子どもの参加状態、活動後の保護者の思いや子どもの変化、父親の家庭での役割や活動参加に対する気持ちなどについて尋ねた。子どもだけではなく保護者自身にも影響がどのようにもたらされているのかが具体的に示された。このような子育て支援イベントに対する参加者の期待や要望も浮き彫りになった。面接調査は質問紙で示されたことを掘り下げる方向で行い、未就園児保護者の子育て環境や子育てに対する考え方がさらに具体的に語られた。質問紙で方向づけられ面接で深められた知見に考察を加え、兵庫教育大学の研究紀要論文用にまとめる予定である。また、本研究は大阪教育大学幼稚園教員養成課程の「幼児教育研究調査法」の環として、実際の研究に学生が参画して学ぶ機会を提供するものとなった。なお、この研究への正統的周辺参加の過程については、大阪教育大学幼児教育学教室研究紀要『エデュケア』2008年度号に、教育と研究が相互に深く浸透した幼稚園と大学の協働活動の事例紹介として掲載された。