著者
宮本 善秋 福井 博一 若井 万里子 梅丸 宗男 若原 浩司
出版者
岐阜県中山間農業技術研究所
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-26, 2005 (Released:2011-03-05)

岐阜県北部飛騨地方の山間地帯では、高品質なモモが生産されているが、近年胴枯れ様障害によるモモ樹の枯死が増加している。そこで、この原因を究明し防止対策を講じるために調査を開始した。調査は1989年から1997にかけて胴枯れ様障害の発生状況について実施した。観察された主幹部の障害は、樹皮の亀裂、褐変壊死、木質部の黒変の3つのタイプに分類された。これらの被害は3-4年生の幼木期に急増し、主幹の南側或いは南西側に発生が多い傾向があり、ほとんどが地上80cm以下に集中していた。これらのことから、本調査で観察された障害は他の果樹で認められる凍害と同一症状と考えられ、飛騨地域におけるモモ樹の枯死原因の1つは凍害であると考えられた。