著者
神尾 真司 宮本 善秋 川部 満紀 浅野 雄二
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.447-452, 2006 (Released:2006-12-27)
参考文献数
17
被引用文献数
3 5

数種のモモ台木品種と岐阜県飛騨地域在来のハナモモに‘白鳳’,‘昭和白桃’を接ぎ木して凍害による主幹部障害,枯死樹発生に及ぼす影響を検討した.‘おはつもも’台は3年生時から穂木部を中心に障害が発生し,4年生時にはすべて枯死した.これに対し‘モモ台木筑波1号’台,‘ハローブラッド’台および‘国府HM-1’台は3~4年生時に穂木部,台木・接ぎ木部ともに障害が発生したが,枯死には至らなかった.中でも‘国府HM-1’台は,障害程度が最も軽症であり,障害発生抑制に有効な台木であると考えられた.一方,台木品種による穂木品種の発芽期,開花始期,展葉期に差は認められなかった.また,樹体生育量には差は認められたが,障害発生との関係は明らかでなかった.
著者
宮本 善秋 福井 博一 若井 万里子 梅丸 宗男 若原 浩司
出版者
岐阜県中山間農業技術研究所
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-26, 2005 (Released:2011-03-05)

岐阜県北部飛騨地方の山間地帯では、高品質なモモが生産されているが、近年胴枯れ様障害によるモモ樹の枯死が増加している。そこで、この原因を究明し防止対策を講じるために調査を開始した。調査は1989年から1997にかけて胴枯れ様障害の発生状況について実施した。観察された主幹部の障害は、樹皮の亀裂、褐変壊死、木質部の黒変の3つのタイプに分類された。これらの被害は3-4年生の幼木期に急増し、主幹の南側或いは南西側に発生が多い傾向があり、ほとんどが地上80cm以下に集中していた。これらのことから、本調査で観察された障害は他の果樹で認められる凍害と同一症状と考えられ、飛騨地域におけるモモ樹の枯死原因の1つは凍害であると考えられた。