著者
城間 祥之
出版者
札幌市立高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度は,まず,花形図形を基本パターンとするパターン生成プログラムを開発し,その花形図形に各種変換を施しイメージを変えるプログラムを開発した.ここでは,拡大・縮小・回転変換,せん断変換,三角変換などのプログラムを開発した.また,変換プログラムを複雑系手法に基づく抽象模様生成プログラムに適用することを目的として,まず,ベクトル画像として生成される抽象模様をビットマップ画像に変換するアルゴリズムを開発し,セル・オートマトン画像生成プログラムに組み込んだ.ここでは,セル・オートマトンの(1)1次元2状態3近傍の256ルール,(2)1次元2状態5近傍総和型の64ルール,(3)1次元2状態5近傍の43億ルール,(4)1次元2状態線形セルオートマトン,(5)2次元9状態5近傍線形セルオートマトンなどの関数プログラムに画像形式変換アルゴリズムを組み込んだ.平成12年度は,まず,(1)網目状カオスのような面積保存型,および(2)面積変化型円環状カオス,(3)翼状カオス,(4)チョーサとゴルビツキーの対称型カオスなどの関数形式描画プログラムを開発し,これらに上記の各種変換プログラムを組み込んだ.同様に,フラクタルについてもシェルピンスキー曲線,コッホ曲線などの描画プログラムを開発し,上記の各種変換プログラムを組み込んだ.次に,開発したシステムを基に生成した抽象模様パターンを各種デザイン業務に適用する応用実験を行った.ここでは,ボールペンの絵柄,ペットボトルのラベル,包装紙,ティッシュペーパー箱の絵柄,風呂場の大理石風壁模様,乗用車や飛行機のイスカバーのデザイン,化粧品ケース,ダイニングセット,CDジャケットの絵柄,金属製他コースター,ブックマークなどへ適用し,その有効性を確認した.今後は,開発したシステムを芸術・デザイン系高専での授業の中で活用していきたいと考えている.