- 出版者
- 森屋治兵衛
- 巻号頁・発行日
- 1851
『狂歌問答』は一休和尚と蜷川新右衛門の歌を交互に並べた道歌集で、江戸後期享和(1801-1803)ころから幕末まで、書形や内容の異なるものが毎年のように刊行された。内容は親に孝を尽くせ、身を粉にして働けと云った処世訓を述べた道歌の中に、「うそをつき地獄へおつるものならばなきことつくる釈迦いかにせん」といった臨済禅の警句が処々に交ぜこまれているのが特色である。本書は文化4年(1807)刊本の嘉永4年(1851)再刻本で、森屋治兵衛版、65首を収める。(岡雅彦)(2016.2)