著者
二宮 健史郎
出版者
滋賀大学経済学部リスク研究センター
雑誌
CRR Discussion Paper, Series J
巻号頁・発行日
no.No-67, pp.1-19, 2018-09

サブプライム問題に端を発した世界的な金融危機の発生により、異端の経済学者であるH.P. ミンスキーの金融不安定性仮説は注目を浴びた。金融不安定性仮説は、多くの非新古典亜経済学者により数理モデルに展開されたが、その定式化は多岐に渡っている。本稿では、金融不安定性仮説の金融構造に焦点を当て、金融構造の変化を考慮したポスト・ケインズ派マクロ動学モデルを概観し、その特徴を整理して今後の研究の方向性を展望する。