著者
森脇 睦子
出版者
独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

26年度は以下を実施した。1)夜間・休日時間外に受診した患者における必要性の低い救急患者の同定手法の開発を実施する目的で次の分析を行った。分析対象は、国立病院機構143病院のうち一般病床を有する110病院で、当該病院の夜間・休日時間外受診した患者(初診料・再診料の時間外・休日・深夜加算を算定した患者)とした。分析には、国立病院機構総合研究センターにおける診療情報データバンクに収集されている平成25年度のレセプトデータを使用した。分析内容は、初診および再診患者の判定(定義の検討)を行った。続いて診療区分(注射、処置、手術、麻酔、病理、画像診断、その他)別に軽症患者の判定に関するアルゴリズムを作成し、患者数や診療報酬点数ベースでの記述統計を行った。2)カルテレビューによる必要性の低い救急患者の判定を実施する目的で次の調査を実施した。1)の分析対象(休日・時間外受診した患者)から対象施設2施設を選定し、各施設150件、合計300件を年齢階級別に無作為層化抽出しカルテレビューの対象とした。調査項目は、①主訴、②主訴発生時刻、③診察時刻、④軽症もしくは軽症外の判定、⑤判定の根拠、⑥早期受診の必要性の有無等とした。調査方法は、医師および薬剤師2名によりカルテレビューを実施し、軽症判定を行った。レビュー後、判定結果に相違がある場合は再度検討により一致させた。検討により判定が一致しない場合は、医師の判定結果を採用した。今後は、カルテレビューの結果を基にレセプトデータによる軽症患者の判定モデル作成する分析を実施する。