著者
樋口 理 瀬筒 秀樹 中根 俊成 瀬筒 秀樹
出版者
独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

神経変性疾患の1つである筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者血清中のLRP4抗体の探索を行った結果、40-50%の症例でLRP4抗体が陽性という結果を得た。マウス筋管細胞においてagrinが誘導するAChR誘導活性に対する阻害効果を調べたところ、LRP4抗体陽性重症筋無力症患者血清はその阻害効果を有していたが、LRP4抗体陽性ALS患者血清にはそれを認めなかった。今回の結果は疾患特異的なLRP4抗体のエピトープの違いを反映するものと推測される。ALS患者の血中に認められるLRP4抗体は将来的にALS発症や治療応答性を追跡可能なサロゲートマーカーとしての役割が期待できるかもしれない。