著者
小嶋 文博 刈谷 円 細川 知子 Fumihiro Ojima Madoka Kariya Tomoko Hosokawa
出版者
盛岡大学短期大学部
雑誌
盛岡大学短期大学部紀要 = Bulletin of Morioka Junior College (ISSN:09168079)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-30, 2004-05-01

野菜・果実類の酸化還元電位を測定し,加熱したほうが食品の酸化還元電位が低下することが判った。これは(1)食品中のポリフェノラーゼなどが加熱により失活するため,抗酸化成分の酸化・分解が抑制されること,(2)加熱より細胞組織が柔軟化し,細胞内容物が細胞外に浸出しやすくなることなどが主な理由であると考えられた。また酸化還元電位の異なる食品の摂取試験から,人体の酸化還元電位よりも相対的に低い酸化還元電位を有する食品の摂取が人体(尿)の酸化還元電位を低くすることが示唆された。特に野菜・果実類を加熱して摂取することが,生で摂取するよりも,人体の酸化還元電位という指標から体内の酸化還元電位の改善に有効であることが示唆された。