著者
工藤 年博
出版者
笹川平和財団
雑誌
SPFオンデマンドレポート集 Voices from the World
巻号頁・発行日
2006-09

2003年7月、米国はミャンマー製品の全面的な輸入禁止という、厳しい経済制裁を発動した。この制裁の最大の被害者は、ミャンマー縫製産業であった。制裁発動前、ミャンマーの対米輸出の8割以上は衣料品だったからである。多くの企業が倒産し、多くの労働者が職を失った。しかし、これまでその影響を包括的かつ正確に評価した調査・研究は皆無であった。本論文は現地での詳細なフィールド・ワークに基づき、経済制裁がミャンマー縫製産業に与えた影響を分析する。経済制裁で苦しむのは誰か。そして、経済制裁は所期の効果を上げているのか。これらの疑問に答える。