著者
工藤 年博
出版者
笹川平和財団
雑誌
SPFオンデマンドレポート集 Voices from the World
巻号頁・発行日
2006-09

2003年7月、米国はミャンマー製品の全面的な輸入禁止という、厳しい経済制裁を発動した。この制裁の最大の被害者は、ミャンマー縫製産業であった。制裁発動前、ミャンマーの対米輸出の8割以上は衣料品だったからである。多くの企業が倒産し、多くの労働者が職を失った。しかし、これまでその影響を包括的かつ正確に評価した調査・研究は皆無であった。本論文は現地での詳細なフィールド・ワークに基づき、経済制裁がミャンマー縫製産業に与えた影響を分析する。経済制裁で苦しむのは誰か。そして、経済制裁は所期の効果を上げているのか。これらの疑問に答える。
著者
金子 芳樹 浅野 亮 井上 浩子 工藤 年博 稲田 十一 小笠原 高雪 山田 満 平川 幸子 吉野 文雄 福田 保
出版者
獨協大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究のASEANを①拡大と深化の過程、②地域横断的イシューの展開 、③域内各国の政治社会変動分析という観点から「国際・地域・国内」の3次元で捉え直すという目的に沿って、第1年目の平成29年度においては、各担当者が現地調査や文献調査を中心に国別、イシュー別の調査を進めた。また、本研究のもう一つの特徴である「ASEANとEUとの比較」という観点については、その第1歩としてEU研究者を報告者に招聘して研究会を複数回開催し、EUの組織や地域統合のあり方などについて研究分担者・協力者の理解を深める活動を行った。その際、ASEANとEUの両研究分野の相互交流や共同研究を今後進めていくことについても、その体制造りなどを含めて意見交換を行い、具体的な段階へと歩を進める準備を行った。さらに、本研究の研究成果を逐次社会に公表していくという目的と、研究の新たな展開と蓄積のために他国や他分野の研究者との情報・意見交換を進めるという目的に沿って、国内の公開シンポジウムや学会ならびに他国開催の国際研究集会に研究分担者・協力者を派遣もしくは参加支援を行った。また、各研究分担者・協力者は、本研究のテーマもしくは関連テーマに関する論文および書籍の発表・刊行を積極的に行った。これらを通して、研究成果の公表とフィードバック、新たな研究知見の獲得、国内外での研究人脈の形成といった面でそれぞれに成果を得ることができた。上記のような諸活動を通して、1年目の目標であった本研究の基盤作りを着実に進めることができ、2年目以降のステップアップに向けた準備を整えることができた。