著者
小谷 清
出版者
筑波大学社会科学系 (経済学)
雑誌
筑波大学経済学論集
巻号頁・発行日
no.47, pp.135-166, 2001-10-31

戦前から戦後そして現在に至るまで我が国の社会経済問題についての思考を頑強に支配し続けてきたのは、この小論で制度主義と呼ぶ思考パターンである。わが国でも、政府の介入によってではなく、市場機構に経済問題の解決は任せるべきであるという。制度主義とは相い対立する市場主義が、ある程度の社会的合意を得た考え方として ...
著者
宣 在源
出版者
筑波大学社会科学系 (経済学)
雑誌
筑波大学経済学論集 (ISSN:03858049)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-5, 2004-10

本書は、1930年代前半期の日本における経済統制について、最近の日本の経済史研究で取上げられることが多くなった戦時統制経済の歴史的前提としてではなく、現代日本経済におけるセイフティーネットの形成過程として分析しているものである。その場合、本書におけるセイフティーネットというのは、市場経済の失敗によって発生したリスクを社会が相互信頼にもとづいて分担する協力関係または制度を指している。 ...