- 著者
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西川祐信 画
- 出版者
- 菱屋治兵衛[ほか1名]
- 巻号頁・発行日
- 1748
西川祐信画、金吾作、女性風俗・教訓絵本。延享5年(1748)正月、江戸・鱗形屋孫兵衛、京都・菱屋治兵衛(板元)。半紙本3巻。墨摺。角書き(序題)「教訓注解」。広告「嗣出 貝歌仙後篇 絵本狂歌貝 全部三冊 西川氏画」とあるが、未刊。延享5年(1748)初春、作者金吾の序に「六々のかいあつめたる一箱を絵にうつしてといふより、歌の詞につれて注をくわゑつゝ、教訓の三巻となしぬ」とある。一例を挙げると、36首の貝の歌「貝歌仙」中の「梅の花貝 春風に浪やちりけん陸奥のまがきがしまの梅のはな貝」について、1首の通釈を試み、加えて「これをいましめとすれば、やさしき名にも似ず、女中のあら/\しきふるまひはあしゝとかや」と、教訓につなげて締めくくっている。祐信の絵は、二人の女性のうち、女中らしき一人が、梅の枝を折ろうということか、梯子を持って駆けつける様子で、教訓を含めた詞書きの趣旨を受け止めて描く。(鈴木淳)(2016.2)