1 0 0 0 OA 絵本宝七種

著者
山東庵京伝<山東京伝>//〔著〕
出版者
蔦屋重三郎
巻号頁・発行日
1804

原題簽が残る。山東京伝の序文があり、巻末刊記の右方には「重政筆」の書き入れがある。重政は浮世絵師北尾重政(1739-1820)、京伝は浮世絵師北尾政演として、その弟子であった。寛政3年(1791)刊の重政筆『絵本福寿草』と同内容。内容は正月にふさわしいめでたい画題を集めたものである。浮世絵等の海外輸出を手掛けた画商林忠正(1853-1906)の旧蔵。近年の里帰り本である。

1 0 0 0 OA 狂歌東遊

著者
浅草菴市人 撰
出版者
蔦屋重三郎
巻号頁・発行日
1799

葛飾北斎画。浅草菴市人撰。江戸名所狂歌本。大本1冊。書き題簽は「狂歌 東遊」であるが、通行書名は「東遊」。墨摺。寛政11年(1799)春日、蔦屋重三郎刊。絵師署名等「画工 北斎/筆工 六蔵亭/彫刻 安藤円紫」。巻末識語「寛政十二年庚申三月吉日求之 実正(花押)」。序、寛政11年(1799)むつき、浅草菴。絵は計29図で、うち半丁図8図。名所のほか、職人図、店頭図などを含むのが特徴。北斎が、(俵屋)宗理の名を師家に返却し、北斎を名乗り、独歩の意気込みのもとに手掛けた、最初の本格的絵本である。細緻な線描を主体とし、オリジナルな絵柄に富んだ絵本として、後世に与えた影響が大きい。阿蘭陀人の定宿「長崎屋」、板元の店頭図「絵草紙店」などはとくに著名。一部の画中に江戸初期以降の著名文人の詩歌等を画讃として掲げる。享和2年(1802)、狂歌を削り、『画本東都遊』と改題され、色摺り本として再出される。(鈴木淳)(2016.2)