著者
太田 詠美
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.63-98, 2020-03-20

近年、 日本が抱える問題として晩婚化が挙げられる。 女性の社会進出が進んだことで「結婚」や「恋愛」に関する価値観や理想が変化していることや男性 の弱体化が原因とされている。 女性雑誌にはその時代の女性の考え方や時代背景が映し出されていると考えられる。 そこで、 本研究では雑誌『an·an』にお いて時代の変化と共に、 女性のライフスクイルや興味関心、 男性のクイプがど のように変化し、 それによって恋愛観、 結婚観がどのように変化したのかを分析する。
著者
林 佐和子
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-31, 2017-03-22

近年のグロ ーバル化の進行は著しく、 私たちの日常には異文化が溢れている。 言語文化・文字文化においても顕著であり、 この影響を受けて様々な伝統的文 化は変化している。 その例として、 文字文化の影響による「自然な目の動き」が存在し、 それは日本語話者と英語話者とで異なるという(熊倉, 1990)。 この目の動きの文化、 視覚文化も文明開化により統一性が失われてきていると熊倉は論じている。 本研究では、 この視覚文化に着目し、 グロ ーバル化以前と現代とでは日本語話者の視覚文化と英語話者の視覚文化には実際に変化が起きているのかをデータを用いて考察し、 どのように変化したか、 それを形作った言語 文化にはどのような変化が起きているかを明らかにする。 また、 日英のデータの比較により変化の原因は何であるかを考察した。 調査の対象として、 言語圏によって変更されることが多く各言語話者の好みを反映している視覚表現である「映画ポスター」を用いた。
著者
平岡 緋奈子
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
no.13, pp.97-111, 2018-03-22

<概要>ディズニー プリンセスは登場当初から現在に至るまで不動の人気を誇つている。しかしディズニープリンセスと ー ロに言ってもすべてのプリンセスが同じではなく様々なプリンセスがいることがわかる。この違いというのはディズニ ー がその時代に合ったプリンセスを生み出していることによるものである。そのため、ディズニ ー プリンセスは社会における女性像を表しているといえる。このことに着目し、ディズニ ー プリンセス映画のセリフから男性文末表現、女性文末表現、中性文末表現とされるものを抽出し、それぞれの時代におけるプリンセスのジェンダー表現⑰墓いを比較しt;:,, その結果、表現の違いについては、映画の公開年が新しいものほどジェンダ ー 表現が弱まるという結果が得られた。これはディズニ ー プリンセス映画におけるプリンセスの定義が登場初期のものから大きく変化したからであると考えられる。
著者
牧田 理沙
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.129-142, 2018-03-22

<概要>近年、外国文学に興味を持つ人は多くなっている。しかし、多くの人は原文ではなく、翻訳者によって日本語訳された外国文学を読んでいる。人気のある作品では、原文が何人もの翻訳者によって訳されていることもある。それらを比較すると、原文は同じでも、いくつかの差異があり、一 定のパター ンが認められる。先行研究によって、翻訳者は想定読者層、文体、人物像の3 点に配慮して翻訳を行っていると分かった C 本稿では、原文の翻訳にはそれら3 点が関連 していると仮定し、4冊の『星の王子さま』の日本語翻訳を用いて検証した。想定読者層では学習指導要領を参考に、訳文中の漢字の難解さ、ルビの有無によって、どの学年を想定しているか、大人向けか子供向けかを分析した。次に文体では地の文を比較し、敬体か常体か、また「硬い文体」か「柔らかい文体」かを分類した。人間像では登場人物の呼称を表にし、それぞれの翻訳での人物像の特徴を示した。結果として、文体については 一 部不一 致なところもあったが、3 点全てにおいて、原文の翻訳が関連する差異パタ ー ンがあると言えた。以上から、仮説は成 り立っているといえる。
著者
深谷 美都季
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.113-128, 2018-03-22

<概要>日本語には語尾を「だぞ」「だわ」にすることで、男性もしくは女性が使用していると客観的に判断できる習慣があり、そういった言葉を男ことば・女ことばと言う。そのような性差的な表現は、世代によって使用頻度に違いがあるようだ。本研究では、映画の吹き替え版を使用して登場人物が性差的な表現をどのような場面で、どのくらいの頻度で使用しているのか、成長するにつれて使用頻度がどのように変化していくのかを明らかにする。仮説として、子供の頃は他者への意識が希薄な時期であることから乱暴な表現を使用しやすく、成長するにつれて常識や世間体を気にするようになり、中性的な表現を多用し性差的な表現を控えるようになると考えた。この仮説を検証するために、映画『ハリ ー ・ポッター 』シリー ズの中から成長の変化がわかりやすい3作を使用する。ハリー・ポッターとハーマイオニー・グレンジャーの台詞から性差的な表現の使用頻度を調査し、経年変化による変化があるかどうかを分析した。