著者
永山 ルツ子
出版者
静岡英和学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,子どもの顔の認知が成人の行動に影響するかどうかを検討するため,実験社会心理学的アプローチ,認知心理学的アプローチ,発達心理学的アプローチにより実験を行った.その結果,子どもの顔は危険行動を抑制すること,自意識が高い成人や親子間関係が不安定な成人ほど子どもの顔に対する反応が遅いこと,葛藤を伴う顔判断は,両側前頭前野が関係している可能性が示唆された.また,月経周期における排卵期の成人女性は,子どもの顔より成人男性に対して反応しやすいことが示された.これらのことから,子どもの顔の認知は成人の行動に影響することがわかった.