著者
山崎 剛史
出版者
(財)山階鳥類研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

南部琉球(先島諸島)のハシブトガラスは、「島の規則』によく合致した地理的変異のパターンを示し、隣接する台湾に比べ、著しく体サイズが小型化している。本研究では、南部琉球の4つの島の集団を形態学・生態学・遺伝学的に調査し、祖先集団と仮定される台湾集団との比較を行った。南部琉球の島々は互いに非常に近接しているが、島間には大きな形態学的、生態学的、遺伝学的差異が見られた。これら4集団のうち、体サイズの小型化の程度が最も著しいのは、台湾の祖先集団と同様の生態的特徴を持っ集団であった。