著者
西海 重和
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-45, 2012

Recently Chinese government vessels, maritime law enforcement agencies' boats and vessels enteredJapanese exclusive economic zone (EEZ).They entered not only the unsettled EEZ between China and Japan, but also Japanese EEZ and territorial waters.To be sure, the United Nations Convention on the Law of the Sea has allowed foreign government vessels to conduct marine scientific researches.However, Chinese government vessels often make marine scientific researches without notice, and enter Japanese EEZ with no information given in advance.Unfortunately, under the present system of international laws, Japan can't regulate and stop these scientific researches so long as researches which Chinese government vessels make or facilities that they construct do not violate Japanese sovereignty or pollute marine environment.In this situation Japan should think of means and measures of making navigation regulations and giving permission of marine scientific researches to preserve marine environment, such as Marine Protected Areas (MPAs), Protection of Particularly Sensitive Sea Areas (PSSA).MPAs and PSSA are regulations admitted by International Maritime Organization.
著者
清水 利宏
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.3-11, 2018-12-23 (Released:2018-12-25)
参考文献数
13

本研究は、ビジネス英語スピーチと政治スピーチの背後にある関連性について、時系列的な比喩構造をヒントにマクロ的視点から分析を試みるものである。2005~2015年に発表された110本のビジネススピーチを分析した先行研究の成果を、11年という長期的な時間軸で俯瞰的に分析することで、ビジネススピーチと政治スピーチの隠れた関連性を明らかにしていく。まず、11年間・110本のビジネススピーチを分析した先行研究の論点を整理し、メタファグラム分析によって示された「概念構造を特徴づける5つの支配性パターン」のデータを整える。そして11年間分の支配性構造のデータについて、(1)視覚的なグラフ分析、(2)相関性の統計分析、(3)時系列を反映した自己相関分析を施すことで、マクロ的かつ複眼的な観点からビジネススピーチと政治スピーチの関りを調査する。これらの分析の結果、(1)大統領選挙の時期にビジネススピーチの概念構造に特異な変化が見られること、(2)2005~2015年に大統領であったブッシュとオバマ両氏の特徴的な概念構造と、ビジネスに特徴的な概念構造に逆の相関がみられること、(3)ビジネス特有の概念構造には(大統領の2期の任期と同じ)8年間の周期性が認められることが明らかになった。
著者
清水 利宏
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.3-14, 2017-12-24 (Released:2017-12-24)
参考文献数
6

本研究は、ビジネス英語スピーチの比喩分析に時系列概念を取り入れた「メタファグラム分析」をさらに広範囲に展開し、その分析法の有効性を再検証するとともに、ビジネススピーチ特有の比喩構造を明らかにするものである。本稿前半では、(1)メタファの時系列分析を試みた実験研究、(2)10本のビジネススピーチを分析した基準研究、(3)50本の素材を追加したコーパス研究、(4)ビジネスと政治のスピーチを分析した比較研究の4つの先行研究から、これまでのメタファグラム分析の進展と研究成果を振り返る。そのうえで、今回の研究では新たに50本のビジネススピーチをコーパスに追加し、基準となった2010年の前5年(2005~2009年)・後5年(2011~2015年)の計11年間の傾向が分析可能な条件を整えた。これら110本、約275,000語のビジネススピーチコーパスを用いて、これまでに得られた研究結果を検証した結果、メタファグラム分析の有効性が改めて示されるとともに、時間軸上で比喩表現の山が構成されるとしたビジネススピーチ特有の性質についても、従来の示唆を裏付ける研究結果が得られた。
著者
清水 利宏
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.104-115, 2015-12-25 (Released:2015-12-30)
参考文献数
5

本稿は、ビジネス英語スピーチにおける概念構造の特徴を明らかにするために、通算6年間分のビジネススピーチを分析・考察するものである。2010年のビジネススピーチ10本を分析した先行研究では、「概念メタファの時系列的支配性」の存在が示された。そこで本研究では、その先行研究の結果を更に検証することを目的とし、まず2005~2009年の5年間に発表された50本のビジネススピーチ・コーパス(素材集)を新たに構築した。12万語以上から成るそのコーパスを、話者の時系列的な概念構造を数値化する「メタファグラム分析」を経て統計処理をし、さらにそのデータを先行研究の結果と照合することで、「(1)量的」「(2)分布的」「(3)時系列的」という概念構造の3つの支配性の特徴を改めて検証した。先行研究と本研究を合わせて、2005~2010年の通算6年間分、約15万語に及ぶコーパスを用いた広範的な再調査の結果、先行研究によって提起された第3の支配性(時系列的支配性)の存在と特徴、そしてスピーチの概念構造における3つの支配性の「相互の関連性」が、本研究においても改めて支持された。
著者
清水 利宏
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.3-14, 2016-12-25 (Released:2016-12-26)
参考文献数
13

本稿は、先行研究で示された「ビジネス英語スピーチにおける概念メタファの時系列的構造」をさらに明確にするために、アメリカ大統領の政治スピーチを新たに比較検証することで、ビジネススピーチ特有の概念構造とは何かを明からにするものである。まずは先行研究で分析された2005年~2010年のビジネススピーチ60本に、同じく2005年~2010年に発表されたブッシュ/オバマ両大統領による20本の政治スピーチを加え、合計で20万語を超えるコーパスを独自に構築した。それらを先行研究と同じ手法で分析・比較検証した結果、概念メタファの「(1)量的」「(2)分布的」支配性に加えて、先行研究で新たに立証された「(3)時系列的」支配性の存在が、政治スピーチにおいても確認された。さらに、メタファグラムによる比較分析では、「メタファの量的変化」が、政治スピーチでは「均等な分散」と関連する一方、ビジネススピーチでは「(3)時系列的支配性」と高い相関を示すという違いが判明した。メタファの「量的推移」と「時系列的な起伏」が相関関係にあるのがビジネススピーチ特有の概念構造であるという発見をふまえ、ビジネススピーチのメタファ分析における時系列的概念の重要性が、改めて支持される結果となった。
著者
清水 利宏
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.20-28, 2009-12-20 (Released:2016-01-01)
参考文献数
3

本稿は、自動車産業界のビジネスリーダー、リー・アイアコッカ(クライスラー)とカルロス・ゴーン(日産自動車)が発表したビジネススピーチを対照研究の素材とし、概念メタファーおよびそのメタファー表現の特徴的な役割について考察するものである。両氏のスピーチには、いずれも「工場閉鎖を伴う経営陣の決断を、従業員と地域社会に伝達する」という二者共通の重要な役割がある。今回の研究では、類似の厳しい経営状況下で発表された両スピーチにおけるメタファー表現を手掛かりとし、各概念メタファーの変移傾向を分析することで、両者がいかなるメタファーを用いて、どのように自身の感情を意図通りに伝達(あるいは抑制)しようと試みたのかを考察する。
著者
近藤 大博
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-9, 2004-05-10 (Released:2017-01-02)

月刊総合雑誌は、文明開化期に誕生し、それ以来、日本人の生活の知的文化的側面において重要な役割を担ってきた。現在もなお、50 数誌が発行されており、数多くの熱心な読者を有している。月刊総合雑誌は、一貫して政治、社会、文化面での思索家たちの営みを紹介し続けてきた。日本近代史そのものを映し出してきていると表現してもよい。日本近代史の理解を深めるため、総合雑誌の歴史をたどり、日本近代史において果たした重要な役割を探る。
著者
栗崎 由貴子
出版者
Japanese Society for Global Social and Cultural Studies
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-12, 2012

In this essay the author will consider an aspect of the theory of language in Ernst Cassirer's philosophy of symbols. In Chap.6, Part 2, Vol. 3 of his <i>Philosophy of Symbolic Forms,</i> he takes up the pathology of symbolic consciousness in discussing the Phenomenology of Knowledge. He examines Kurt Goldstein's notion of "impairment of categorical attitude". Goldstein is persuaded that an analysis of symptoms characteristic of amnesic aphasia will finally prove quite important to inquire into the way humans set themselves up against the world. Cassirer regards the same pathological cases as pathways by following which we can discover the process in which human mind acquires its ability to make the symbolic form of language and develops its cognitive powers. How Cassirer incorporates Goldstein's observations into his own system of philosophy? This is what we are concerned with in this thesis.