著者
大土 隼平 石井 陽子 中谷 桃子 大塚 和弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.9, pp.504-517, 2022-09-01

複数人対話におけるファシリテータによる対話者の状態把握を支援するため,頭部運動の機能に関する特徴量を用いた対話者の主観的印象の予測モデルを提案する.女性4名,17グループの対話を対象とし,雰囲気の良さ,楽しさ,やる気,集中度について,2分単位に自己報告された9段階のスコアを予測の対象とする.まず,対話者の頭部姿勢角及び発話の有無の時系列を入力とする畳み込みニューラルネットワークを用いて,頭部運動機能10種を検出する.次に頭部運動機能特徴として,検出された頭部運動機能から各機能の出現率や構成比等を2分単位の区間ごとに算出する.また,頭部運動の活発さを表す特徴も併せて抽出し,ランダムフォレスト回帰モデルを用いて内観スコアの予測を行う.実験の結果,全グループに対するモデルでは,印象4項目中3項目にて弱い相関(≥ 0.3)が確認でき,また,グループごとのモデルでは,約32%のグループにて中程度以上の相関(≥ 0.5)が得られるなど印象の予測可能性が示唆された.更に予測モデルの説明可能性を示すため,SHAP分析を用いて予測に寄与した対話者の行動と印象との関連性について考察する.

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