著者
シーコラ ヤン
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.83-94, 1998-09-30

徳川時代は、ヨーロッパで経済学が独立した学問として登場してきた思想的な激動期に対応している。西洋の思想のある分野――とりわけ自然科学思想――は日本学者に研究され普及してきたが、しかし西洋の政治・経済思想が日本に紹介されることは多かれ少なかれ制約されていた。一方、同時に日本の経済・社会がますます複雑になり、貨幣経済が進展していくにつれて、ヨーロッパの経済学者が考察を深めていったのとよく似た経済現象が形成されていた。

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