著者
入口 陽介 山里 哲郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.616, 2017-05-24

定義 タッシェ(tasche)は,十二指腸球部の潰瘍または潰瘍瘢痕による潰瘍側の収縮とそれによる正常部分の憩室様膨隆を示すX線造影所見で,潰瘍と幽門輪との間に認められる(Fig. 1〜3). 十二指腸潰瘍のX線診断は,Akerlund(1921年),Berg(1926年)らによってほぼ確立された.タッシェは,1918年に,Hartにより初めて記載され,Schinzによって球部変形のX線所見は大彎側に多く認められることが報告された.その後,Stein(1964年),白壁(1965年)によって十二指腸球部変形の整理がなされた.白壁1)は,変形,狭窄の程度に線状潰瘍,多発潰瘍,さらに瘢痕化潰瘍の概念を加え診断図を示した.十二指腸球部変形は,十二指腸球部の大彎・小彎側の彎入,十二指腸球部の攣縮,タッシェ形成,十二指腸球部萎縮すなわち十二指腸球部癆などがある.辺縁の所見で,陥凹を示すもの(切れ込み,彎入,陥凹,牽引)と出っぱりを示すもの(タッシェ,ニッシェ),それに幽門の変化として幽門非対称,幽門狭窄などがある2).

言及状況

外部データベース (DOI)

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あ、さっき間違えました。。。 以下、2017年増刊号より。 入口論文「タッシェ」 https://t.co/moQHteOtoi 斉藤論文「縦走潰瘍」 https://t.co/6We2y6Spmx 大川論文「輪状潰瘍」 https://t.co/lwqdz7Vs1w 吉岡論文「アフタ,アフタ様潰瘍」 https://t.co/s1qMT49Hpf

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