著者
小林 広幸
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.736-737, 2019-05-24

定義 病理医の黒丸が肺結核患者の病理解剖標本の腸の粘膜を詳細に観察し,病理組織学的に結核病巣と確認できた粘膜病変(主に潰瘍性病変)を,腸結核の肉眼像として8型に分類したものである(Fig.1).後述する原典を要約した黒丸の著書「腸結核症の病理」1)の原文を引用すると,第I型は初期の病変で粟粒大ないし麻実大の結核結節である.第II型は結核結節の壊死物質が粘膜を破って腸腔に排出され,小潰瘍を形成したものである.第III型はそれがやや大きくなり,小豆大または扁桃大となったものである.第IV型は,腸の横軸方向の潰瘍で,輪状または帯状潰瘍と言われるものである.長径2cm以下のものをIVA型,2cm以上のものをIVB型とした.第V型は縦軸方向の長径2cm以下のものをVA型,2cm以上のものをVB型とした.VI型は円形または類円形の潰瘍で,扁桃大以上のものである.第VII型は不整形潰瘍で,扁桃大以上である.第VIII型は潰瘍が互いに融合し,広範な潰瘍となったものである.

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