- 著者
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太田 八重子
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.307-309, 1953-11-15
後天性心疾患に際し合併症として肺浮腫の來る事は屡屡である。左心不全,又僧帽瓣狹窄症の場合,肺欝血から肺浮腫を招來し易い。 心臟外科の發達に伴い,在來手を下し得なかつた心臟病が手術的に恢癒を見る樣になつたが,手術後の合併症の一つとして急性肺浮腫は重要な地位を占めている。當教室では,僧帽瓣狹窄症手術51例中,肺浮腫で死亡した者6例を經驗し,これが對策の重要性を痛感し,檢索しているものである。こゝに外科的立場からの肺浮腫を症例によつて檢討する。