著者
酒井 明夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.725, 2010-07-15

著者ラアリーはアナール学派の俊英ジャック・ル=ゴフに学んだ歴史家である。まずは順序通りル=ゴフの序文から目を通すと,いきなりこの書の重要な位置づけが目に飛び込んでくる。ル=ゴフによれば,『中世の狂気』はジャッキー・ピジョーの一連の著作とミシェル・フーコーの『狂気の歴史』の間を埋めるものなのである。 周知のようにフーコーの前掲書は17,18世紀古典主義時代の狂気の諸相を提示し,その意味を考察した名著である。精神医学史を超えてこれが思想界全体に与えた影響は計り知れない。一方のピジョーは古代の狂気を独自の手法で読み解き,そこに詩的ともいえる深い洞察を加えた碩学である。ピジョーの視野には医書ばかりでなくおよそ古代世界の名だたる文献類がとらえられている。ピジョーとフーコーを両脇にした本書には,したがってきわめて高い評価が与えられていることになる。

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ジャッキー・ピジョー先生の名を日本語で検索すると最初にこのページが出てきた。「―Muriel Laharie 著,濱中淑彦 監訳―中世の狂気―十一~十三世紀 (精神医学 52巻7号) | 医書.jp 」簡明だが適切な評価と思う。フーコーと並んでジャック・ル・ゴフが引用しているとある。https://t.co/FjH7qaVkfh

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