著者
新井 弘 柏瀬 宏隆
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.951-956, 1992-09-15

【抄録】 父親(夫)に対し母・娘・息子が被害妄想を抱いた感応精神病の1例を報告し,その発症から治癒までの経過中にみられた家族病理の変化,継発者の関与の過程を考察した。発端者は母親,継発者は15歳の娘と10歳の息子であり,2人の継発者で感応現象が異なっていた。すなわち,娘は母の精神異常に積極的に関与し,母の周囲に対する被害妄想に感応した後は,母と一緒に,妄想に共感しなかった父へと妄想の対象を移していった。他方,息子は父と母・娘との対立関係の中で,心因性けいれん発作を起こした後,消極的関与のまま父への被害妄想を抱くようになった。このような2人の感応過程の様態から,娘は積極的関与型,息子は消極的関与型の感応精神病と分類される。継発者を積極的関与型と消極的関与型という視点からみれば,感応精神病の治療への反応性が予測されうると考えられた。

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継発者に2人の子どもを含むfolie à troisの1例 (精神医学 34巻9号) | 医書.jp https://t.co/ax9EhcwAxa

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