- 著者
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千貫 祐子
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.16-18, 2017-04-10
summaryPork-cat syndromeは獣肉アレルギーの一種で,原因抗原は豚の血清アルブミン(Sus s)であり,類似の構造を有するネコの血清アルブミン(Fel d 2)に経気道的に感作された後,交差反応によって豚肉摂取時にアレルギー症状を呈する疾患である.遅発性に発症する糖鎖α-Galが原因の獣肉アレルギーとは異なり,一般的に豚肉摂取30〜45分後に症状が出現するとされる.Pork-cat syndromeの診断には,問診と同時に,豚の血清アルブミン(Sus s)特異的IgEとネコの血清アルブミン(Fel d 2)特異的IgEの測定を行うことが有用である(保険未適用).保険適用の検査では,豚肉特異的IgEとネコ上皮特異的IgEを測定することで,ある程度推測できる.豚肉摂取後に蕁麻疹やアナフィラキシーを発症した患者を経験した場合は,ネコの飼育歴やネコとの接触の問診聴取が必要であり,豚肉やネコ(上皮やフケ)の特異的IgE検査を行う必要がある.