著者
山下 光
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.281, 2016-03-01

10年以上にわたり,わが国で一般的な八田・中塚(HN)式利き手検査1)と,国際性の高いエジンバラ利き手検査(EHI)1)で大学生の利き手を調べてきましたが,最近気になることがありました。 2014年度の医学部新入生141名に実施したHN式では,8名(5.7%)が左利きと判定されましたが,右利き(115名)・両手利き(18名)の合計133名中24名(18%)が,マッチをするとき左手で軸を持つと回答しています。しかし,左手でマッチをする人が2割近くもいるとは思えません。同時に実施したEHI(八田訳)にもマッチに関する質問がありますが(「マッチをする手はどちらですか」),それに対しては,全員が「右手」と答えています。どうやら,今の大学生には「マッチの軸」という言葉がわからないというのが真相のようです。確かに「マッチの軸って棒のほうですか,箱のほうですか」という質問が複数ありました。そこで2015年度はHN式の項目を「マッチをするとき,軸(棒のほう)をどちらの手で持ちますか」に変更したところ,右利き129名,両手利き16名の合計145名中,「左手」と回答したのは1名のみでした。

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