著者
小野 茂良
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚泌尿器科 (ISSN:21886156)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.216-218, 1949-05-01

連圏状粃糠疹は明治39年に遠山博士によつて初めて記載されてから現在迄に200例近くの症例が報告されている.最初から寄生性皮膚疾患と考えちれ,從つてその治療としてはサリチル酸,レゾルチン,クリサロビン,タールパスタが用いられ或いは大陽燈照射や自家血清療法も併用されたが,何れによるも治癒し難いものでありた.然るに現在に至るもなお確實な病原菌の檢出は不成功であり,また一方本症は組織學的に角化症で,特に,毛嚢及び汗腺開口部に角質増殖が著明であることから,ビタミンA大量療法を試みて奏効した1例を經驗したのでこゝに報告する.

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