著者
植木 彰
出版者
医学書院
雑誌
臨床検査 (ISSN:04851420)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.1039-1041, 2006-09-15

1.はじめに 認知症は後天的に記憶・認知機能が障害される疾患の総称である.認知症の最大の危険因子は加齢であり,発症率は65歳以降5歳ごとに約2倍ずつ指数関数的に増加し,80代の有病率は約20%である.日本には約170万人の認知症患者がいると推定され,その大部分はアルツハイマー病(Alzheimer disease;AD)か脳血管性認知症である.若年性認知症は若年期の認知症という意味であり,特別な疾患があるわけではなく,高齢者の場合と基本的には変わらない.しかし,働き盛りでの認知障害は社会からの離脱を意味し,本人,家族に与える心理的,経済的,社会的影響は深刻である.若年性とは18歳から64歳までを指しているが,介護保険では40歳から64歳までを指している.

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