著者
清田 隆之
出版者
医学書院
雑誌
精神看護 (ISSN:13432761)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.433-437, 2015-07-15

今回ご紹介するのは、「2年半つき合った年上の彼氏と別れ、悲しみに暮れている」というZさん(34歳)の事例です。妊娠のリミット、結婚とキャリアの天秤、多忙な労働環境、“逃げ癖”のある彼氏……などなど、現代のアラサー女性を取り巻く問題が“幕の内弁当”のように詰め込まれていた一件ですが、そこで考えさせられたのは、「恋愛における孤独や絶望とは何か?」ということについてでした。 Zさんは映画業界に身を置く女性で、相手は同じ制作会社の先輩である4つ上の男性(38歳)。ともに文化系の趣味を持ち、一緒にライブなどへ通ううちに距離が縮まり、いつしか互いの家を行き来する仲に発展。最初は「つき合おう」の言葉がなくて不安を抱いたものの、何度かのケンカや話し合いを経て、正式に交際がスタート。そこからは順調なつき合いが続き、週末は家で一緒にお酒を飲んで過ごしたり、男だらけの職場で奮闘するZさんをよき先輩として支えたりと、2人は恋人としても仕事仲間としても仲を深めていきます。そして彼女は年齢のこともあり、真剣に彼との結婚を望むようになりました。

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