著者
中澤 肇 木村 和久 前田 秀彦
出版者
日本言語聴覚士協会
巻号頁・発行日
pp.66-76, 2021-03-15

【はじめに】言語聴覚士は,住民運営の通いの場などで地域支援を行っているが,聴覚に関しては講話にとどまっている現状がある.今回,タブレットオージオメータを用いて,施設内で簡易に難聴のスクリーニングを行い,必要な支援につなげられるかを検討した.【方法】研究1)当院で言語聴覚療法を受けていた7名を対象に,防音室内での聴力検査結果と病室でのタブレットオージオメータの聴力検査結果を比較した.研究2)高齢者サークルで支援の要望があった21名を対象に,タブレットオージオメータでの聴力検査と事後アンケートを実施・分析した.【結果】研究1)両条件下での聴力検査結果に強い正の相関(r=.91〜97)がみられた.研究2)軽度以上と判定された難聴者が76%であり,このうちの21%はアンケートより耳鼻科受診や補聴器を検討するとの回答が得られた.【考察】タブレットオージオメータの導入は,高齢者の適切な支援に結び付く可能性が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 6 favorites)

聴覚障害による社会参加制限やフレイルへの影響は少なくない点からも地域在住高齢者に対する聴力検査の意義は高いと思っていて、こうしたタブレットを使って啓発活動ができてたらいいよなぁと思う。 https://t.co/aihXSwZomL

収集済み URL リスト