著者
國方 弘子
出版者
日本看護科学学会
巻号頁・発行日
pp.36-45, 2010-12-21

要旨 本研究の目的は,精神に病をもつ人の自尊心回復に向けた看護支援プログラムの開発をめざして,自尊心が低下した時に,浮かぶ考えやとる行動,気分の経験世界がどのように繋がっているかを記述することである.方法は,34名の地域で住む当事者を対象に,修正版Grounded theory approachを用いて分析した.結果,自尊心が低下する状況が生じた時,《否定的な自己像》が活性化し,それにより,否定的な《バランスを失った思考》が次々に引き出され,それらの思考が頭の中をグルグル回り,《追い詰められた不快な気分》,《不快な身体現象》,自己内外に対し《攻撃または守りとしての行動》が生じ,彼らはその悪循環に巻き込まれていた.悪循環は自己に対する強いこだわりの思いから生じると解釈できた.悪循環から脱出する看護支援として,《否定的な自己像》を認識する,スキーマの修正,リラクゼーション活動,肯定的自己評価を意識化できる,などの必要性が示唆された.

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[健康][介護] 否定的な自己の読み出し行為が止まらない.この悪循環は自己に対する強いこだわりの思いから生じると解釈できた.

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