著者
中西 弘樹
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.113-124, 1996-07-10 (Released:2017-09-25)
参考文献数
42
被引用文献数
1

九州西廻り分布植物は, 亜熱帯性(南方系)の植物で, 琉球列島, 九州南部から九州西部(熊本・長崎県)を北上分布し, 九州東部(宮崎県北部・大分県)には分布していないものと定義され, 33種を確認した。九州西廻り分布型が成立するようになった理由を明らかにするために, 植物の生育型, 散布型, 生育立地, 気候, 地史について検討した。その結果, 最終氷期に海面が低下したために九州西部にできた広大な低地が亜熱帯性植物のレフュジアとなり, 氷期以後そこから分布を広げたことが九州西廻り分布植物の成立の主な理由と考えた。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

@Voalavoanala ヤマトシロアリとは利用木材の含水率で棲み分けている示唆があるので、ヤマト以外との競合もありそうですね https://t.co/41rkHpro40 これは植物の話ですが、陸化した氷期の九州西部起源とされる「九州西回り分布」という分布型があり、これなら北九州と下関周辺に限られる自然分布もあり得るかもです
九州西廻り分布植物:定義,構成,起源 https://t.co/jQIiU9cNzr

収集済み URL リスト