著者
別所 弘淳
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.411-428, 2020 (Released:2021-04-06)
参考文献数
39

本稿は、日本密教において「教主」を論ずる上で問題となる、「大日如来と釈迦との関係性は如何なるものなのか」という「大釈同異論」について論じたものである。大釈同異論とは、大日如来と釈迦を同体と見るのか、別体と見るのかという議論である。従来、台密は大釈同体、東密は大釈別体を主張するとされてきた。 しかし、東密諸学匠の記述を改めて精査してみると、従来言われていていた、「東密は大釈別体」とは異なる見解が多くみられた。すなわち、東密内で大釈別体を支持する学匠はごく一部であり、多くの学匠が大釈同体を主張しているのである。 したがって本稿は、従来言われていた「東密は大釈別体を支持する」という見解を否定するものである。

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@prapanca_snares 仏身論といえば日本の密教では大釈同体だの別体だのという議論がありますね。https://t.co/6e3qKz7ZVq

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