著者
小宮根 真弓
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.11, pp.2151-2156, 2009-10-20 (Released:2014-11-28)

表皮細胞の角化はすなわち表皮細胞の分化である.表皮は角化することにより,適切なバリアー機能を発揮し,外界の刺激から人体を守っている.表皮細胞の分化にあたり,多数の分子が順序良く精密に制御されながら発現している.これらの分子に遺伝的に異常が生じることにより,それぞれ特徴的な臨床症状を発現する遺伝性皮膚疾患が発症する.表皮の角化に影響を与えるもう一つの因子として炎症がある.炎症により発現する炎症性サイトカインによって,表皮の角化・分化に関与する遺伝子の発現が影響を受け,その結果角化の異常が生じる.表皮に生じた異常により,表皮のバリアー機能の破綻をきたしたり,樹状細胞やリンパ球に影響を与えることにより,全身の免疫機能にも影響することが最近の報告で明らかになっている.

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