著者
岡田 仁志
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.183-192, 2015-01-01 (Released:2015-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

ビットコインなどの分散型仮想通貨は,P2Pと電子認証の技術を応用してこれまでとは全く異なる価値流通の仕組みを現出した.それは,発行主体の存在しない分散的な構造でありながら,私人間の支払を完了させる価値認証システムである.従来の電子マネーがクローズドループであったのに対して,仮想通貨はあたかも現金のように転々流通する.そして,中央銀行の手によらない通貨発行は,国家が独占してきた通貨高権に疑問を投げ掛ける.本稿では,通貨はなぜ国家が発行しなければならないのか.国家によらない通貨発行は理想であると言えるか.シニョレッジ(貨幣発行益)を独占する者は本当に存在しないのか.仮想通貨の登場が問いかける諸論点について考察する.

言及状況

外部データベース (DOI)

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概略 支払い方法論の貨幣というではなく市場の民間経済主体で発行する様々な負債契約の国の指定単位により記述されるようになるような計算貨幣として国内に流通させうる手段 クナップ Georg Friedrich Knapp・1842‐1926 ドイツの統計学者で貨幣理論家の論理 https://wikimatome.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E5%9B%BD%E5 ...

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現在の中央銀行のコントロールには確かに問題がある。しかし、中央銀行に頼らないとなると、デメリットも。 「貨幣とは何か,誰が 貨幣を発行すべきか,貨幣の発行に利益が伴うとき,それは 誰に帰属すべきか」 匿名性が高い故に、腐敗の温床になる可能性も否定できない。 https://t.co/jwZ169S48C https://t.co/bduP9aqglt https://t.co/k9UJx28wdd
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新自由主義と通貨発行権などへの最近の言論。 リバタリアン的経済の自由化が今の貧富の差の拡大の原因なのは間違いないのに、陰謀論では真逆に帰属する人が…
@sendo_taku_ek18 リバタリアンは経済的自由を言います。 何でもお金に換算し、弱肉強食な世界で今の貧富の差の拡大。 自由な通貨といえば、仮想通貨がそうですね。 持っている通貨が暴落しても自由。 恐ろしい世界が待っていそうですが
仮想通貨の登場が国家・社会・経済に与える影響 The Influence of the Emerging Virtual Currency on Nation, Society, and Economy 岡田仁志 Hitoshi OKADA ja: https://t.co/2R5ilYbdls 読み応えあった。

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