著者
池田 昌美 池田 真行
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.404-407, 2007 (Released:2007-06-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2 1

酸化ストレスの除去は,脳機能維持のために不可欠である.そのストレス除去にあたり,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やグルタチンペルオキシダーゼ(GPX)は,主要な抗酸化酵素として働いている.興味深いことに,実験動物の睡眠を妨げると,脳内のSOD活性や還元型グルタチオン(GPX基質)量が減少し,酸化型グルタチオン(抗酸化反応物)量が増加するという.つまり,覚醒の持続は,脳内の酸化ストレスレベルを上昇させる作用があるようだ.われわれは,t-ブチルヒドロペルオキシドを用いて,ラット脳に酸化ストレスを負荷したところ,睡眠量の増加と,視索前野/前視床下部におけるアデノシンや一酸化窒素遊離を観察した.この結果は,ある程度の酸化ストレスには睡眠物質遊離や眠気を促進する効果があることを示している.つまり,覚醒が脳内に酸化ストレスを生み,これをトリガーにして睡眠という脳保護活動が誘発される可能性が示唆された.

言及状況

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[資料][睡眠] Title: 酸化ストレスと睡眠 ; 「覚醒の持続は脳内の酸化ストレスレベルを上昇させる」「ある程度の酸化ストレスには睡眠物質遊離や眠気を促進する」

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酸化ストレスと睡眠 https://t.co/yfC8C6ta7q
“ほとんどの生命がエネルギー 産生(その多くはミトコンドリアおける #ATP 産生) のために #酸素 を用いるが,そうした基本的な生合成プ ロセスにおいても,#活性酸素 は「やっかいな」副産物 として産生されてしまう” https://t.co/3doq8k1jXW
体感してる効果は☆ メラトニン単体よりメラトニンとグルタチオンの舌下で寝付くのが早いです^^。。おかげで体力がついてるかんじです^^ グルタチオン産生不足では睡眠障害になりえる論文です。実際過労で余計眠れなく>。<。 #化学物質過敏症  https://t.co/QmC54fR5RV https://t.co/bXPJ249Wx0

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