著者
本多 和樹
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.413-417, 2007 (Released:2007-06-14)
参考文献数
22
被引用文献数
1

睡眠異常を持つ動物モデルの存在が睡眠研究を飛躍的に進展させる場合がある.睡眠研究はおよそ100年前に断眠したイヌの脳から睡眠物質を抽出したことに始まるが,睡眠覚醒の液性調節機構および神経調節機構に関する研究では,多くの動物モデルが利用されてきた.また,近年の分子生物学の進歩から睡眠覚醒調節が分子レベルで理解されるようになり,ヒトと同様の睡眠異常を示す遺伝子変異動物モデルが利用できるようになってきた.特にナルコレプシーや睡眠呼吸障害の動物モデルとしてイヌ,サル,ブタ,マウス等が利用されている.一方,イルカのように生存環境や内部環境によって睡眠様式を変化させた動物モデルも存在している.睡眠研究において様々な動物モデルが利用されることで,多くの新知見が集積され,睡眠覚醒調節機構や睡眠障害がさらに明らかされることが期待される.

言及状況

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@Mi23jnJMse4Hiy5 しかも半球睡眠といって脳を半分ずつ眠らせることができるので、水の中でも溺れずに寝ることができるんです。 まぁ半球睡眠中はぼーっとした状態ですけどね
@divetoinfinity 睡眠物質の研究のスタートが犬なこと、犬ナルコレプシーモデルが有名なことの2点で睡眠=犬だと思い込んでいました ネコの方がコストを抑えられ、頻繁に眠る印象がありますね だからネコなんですかね https://t.co/uh8R0vVgt7 よく使う齧歯類は夜行性で、睡眠が人間のそれとは少し違うんですかね

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