著者
山浦 克典 鈴木 昌彦 並木 隆雄 上野 光一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.135, no.6, pp.235-239, 2010 (Released:2010-06-11)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

2000年に新規同定されたヒスタミンH4受容体は,主に免疫系細胞に発現し免疫反応への関与が示唆されている.我々は関節リウマチ患者の関節滑膜に着目し,マクロファージ様および線維芽細胞様滑膜細胞いずれにもH4受容体が発現していることを確認した.次に,表皮および真皮のH4受容体発現を検討し,表皮においてはケラチノサイトが分化に伴いH4受容体の発現を増強することを,また真皮においては真皮線維芽細胞にH4受容体が発現することを確認した.さらに,皮膚に発現するH4受容体の役割として掻痒反応への関与が示唆されているため,サブスタンスPによるマウス掻痒反応において,H4受容体遮断薬が抗掻痒作用を示すことを確認した.サブスタンスPにより誘発する掻痒反応では,マスト細胞の関与は小さいこと,ケラチノサイトが反応に重要な役割を果たすとされることから,ケラチノサイトに発現するH4受容体を介する掻痒反応機構の存在が示唆された.

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ヒスタミンH4受容体 https://t.co/tv4dpnliqB 主な機能:免疫調整 発現分布:末梢白血球,骨髄,胸腺,脾臓,結腸,小腸など多岐にわたり,造血系細胞,特に樹状細胞,マスト細胞,好酸球,好塩基球,単球,NK 細胞そしてT 細胞 関節リウマチと関わる 掻痒反応にはH1受容体遮断薬よりH4受容体遮断薬

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