著者
平野 直人 阿部 なつ江 町田 嗣樹 山本 順司
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.1-12, 2010 (Released:2010-05-29)
参考文献数
94
被引用文献数
8 6

太平洋プレートが沈み込む手前で活動するプチスポット火山は,プレート屈曲に起因し,各火山活動は単発に終わる特徴があり,様々な海域で活動している.つまりプレート屈曲場であればどこでも同様の火山が存在し得る.そのような沈み込む手前のプレート上のプチスポット火山体は,沈み込むプレート本体の海洋地殻や,海山等の古い火山体よりも選択的に陸側に付加されていることが容易に想像できる.プチスポット火山の検討により,このような地質学の新展開に加え,海洋リソスフェアの理解に関する新展開も期待される.プチスポット溶岩がもたらす捕獲岩や火道角礫岩は,これまで我々が手に入れることの出来なかった古い海洋プレートの断片として貴重な情報をもたらす.これら岩石に地質圧力計を適用し,近い将来行われる若いプレート上での21世紀モホール計画の成果と合わせ,四次元的に海洋プレートが理解されることが大いに期待される.

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@pmagshib プチスポット発見に至るまでのストーリーも日本の地質が効いていて、地質学っぽくて好きなんですよね! 付加体の中に若い火山岩があることに気づく。 実際に海洋プレートにあるんじゃないかと探し始める。 年代測定、場所を予測して探して見つかる https://t.co/VptzbJ03tk

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